のら猫トロちゃん

トロは、もともとは家の周りをうろついていたのら猫の子供。兄弟も何匹かいるようだが、途中で親において行かれたか何かして彷徨っていた。そこをなんとM氏(いまの飼い主)によって拾われたという幸運の持ち主。拾われた時は片手で持ち上げられる程小さく、軽かった。シャンプーした時にはお湯が真っ黒になって、ノミが何匹もでたという。その時まで、聴いたら誰でも哀れんでしまうような鳴き声をあげていたのだ。
飼い猫トロちゃん

そうして、トロは2002年7月9日、M氏の正式な家族となった。まだ幼く、7月とあって外にいたら熱中症にもなりかねないのでM氏が経営する店内で“M氏の手によって”育てられる事に。最初のうちはまだ慣れないせいかあまり動かず、じっとしている方が多かったが、一週間もたつとセンター内を元気に走り回るようになった。M氏も「自分の猫、というのを育ててみたい」と珍しく毎日トロのそばにつき、話しかけたり遊んだり、していた。しかし楽しい日々は突然ストップされてしまう事になる…。
病猫トロちゃん

それが起こったのは2002年7月20日…。あまりにも突然で誰もが予想出来なかった出来事だった。
トロはよだれを垂らしてうずくまっていたのだ。
駆けつけたときには痛そうにニャーニャーと泣き、ぐったりして、時たま痙攣(けいれん)を起こしていた。しかしどうする事も出来ない。数分後にはたまごセンター内を走りまわり、ギャーギャー大声をあげたと思うと急に足を投げ出してぐったりしてしまうという大変な状態になっていた。このまま死んでしまうのではないかと不安になった。こんな小さな子猫でもこんなに人が怯えるほど恐ろしい叫び声をあげるのかと改めて猫の怖さを思い知った。ちょうど祭日でかかりつけの病院が休みだったのでM氏帰宅後、動物病院に電話をかけ、連れて行くことにした。しかし最初に行った動物病院ではたいした診療はしてくれず、「これは単なる発作だから心配することはない」といわれ、戻された。


その後トロはエサを食べたりする位には回復したが、ボーッとして宙を見つめているような状態で、後日また違う病院へ連れて行くことになった。
その「違う病院」に行って注射を何本も打ってきたトロは徐々に元気が出てきて病院に何度も通ううち、前と同じ状態に戻っていった。その病院の先生はとても良い先生だとM氏も評価していた。今度動物が病気になったらそこへ行くそうだ。
たまごセンター内にねずみ取りの薬が置いてあったため、これは薬物中毒ではないかと考えられたが、先生によると猫はふつうそんなものを口はしないそうで、その発作の原因は今もって謎のままである。
看板娘トロちゃん

回復したトロはぐんぐん大きくなり、前とはぜんぜん違う猫になってしまった。そんなトロだが、たまごを買いにくるお客さんの間では大人気。トロから離れないお客さんもいるとかで、ペットというだけでなくトロの自宅であるたまご直売所の看板娘としても活躍している。M氏も「娘」と認める程、可愛がっている。
トロは猫?

「みればすぐ猫だってわかるじゃないの」と思うかもしれないが、それは外見上の話。どうやらトロは自分の事を猫だと思っていないらしい…といったら言い過ぎかもしれないがトロはホントに猫とは思えない行動をとるのだ。
例えば投げた物をくわえて持ってきたり、舌を出したり…。そう、犬。トロはまるで犬のようなのだが…めったに鳴くことは無く、ゴロゴロとノドをならすことも少ない…。人の顔を目をまんまるくしてじっと見つめる、抱くとおとなしくなるなど不可解なことも多いのである。だから犬とも言い切れないのだ。
これから成長していく上で変わるかもしれないが、非常に珍しい猫である。
とろいトロちゃん

ところで、なぜトロの名前が「トロ」になったのか、疑問な人もいるだろう。この「トロ」の名の由来は「とろい」。トロは猫のくせに歩いていて柱に頭をぶつけたりするほどトロかったのである。母猫に置いて行かれてしまったのもこのトロさのせいではないだろうか?
(でもここでいっているのは昔の話で、今はトロいなんて言えないほど運動神経抜群である)
名前の候補は「タラちゃん」「イクラちゃん」「アユ」など魚(…というか前二つはどう考えてもサザエさんだが)の名前が多く、「トロ」も一応まぐろの名前だから良いか…という事になり、決定。誰もが名の由来を聞くと「え〜?そうだったの?」とがっかりするがこれを読んだアナタもがっかりしたのでは?
ニックネームも、トロリン、("あやや"と同じ発音で)とろろなどと、つけられている。
トロ VS ミュウ

ずっとたまごセンター内で育てられたトロだが、涼しくなるにつれて外にも出たがるようになり、ちょっとした隙を狙って外に出るようになった。M氏もストレス発散になるだろうととがめない。
しかし困ってくるのは先輩猫、ミュウとの縄張り対決…なのだが、このあたり一体のボスだと思われているミュウはトロから逃げ、トロがミュウを追いかける始末なのである。一緒にいても攻撃はしない。一体どうなっているのだろうか?
何度かM氏が自宅の中へトロを入れた事があったが、そこで鉢合わせになって以来、ミュウは家の中に警戒して入るようになった。
これからだんだんミュウの居場所が少なくなる事が考えられる。

しかも、いま「ミュウとトロは親子?」説が浮上していて、だからトロに手をださないのだろうという意見もある。【ミュウは去勢手術をうけているので、そんな事はありえないのだが。】
トロは散歩がお好き?

トロは、実に散歩が好きである。(別にトロだから好きというわけではなく、猫だったらみんな好きかもしれないが)
家(たまごセンター)の中に閉じこもっているのは雨の日くらい。晴れている日には必ずといって良い程、外に出たがるのだ。まあずっと閉じこもっていると退屈してしまうだろうし、気持ちは良くわかる。しかし、まわりには変な野良猫がうろついているため、非常に心配なのだ…。
散歩はするが、最近はあまり木に登っている姿を見たことがない…。なぜ??
寂しがり屋、トロちゃん

トロは、他の猫に比べると断然、寂しがり屋である。一度、前に誤って近所の倉庫に入って一晩閉じこめられてしまったことがあるのだが、ひどく不安だったようで、いつものような元気がなく人のそばへばかりきていた。エサもろくに食べなかったのである。
トロの親や兄弟らしき猫などが目撃されているが、実際のところどの猫が親かはわからない。
トロ自身も、まだ離乳食も食べられないほど幼いときに拾われたので、母親の顔などほとんど覚えていないだろう。
妊婦のトロちゃん

その時の体力の関係で避妊手術は出来なかったものの、一応違った方法で避妊の処置(動物病院で)をしてもらっていたのだが、それにしてはお腹が妙に膨らんでいた。そのため、あまり外出をしなくなり、横になっている事が多くなった。
まあ妊娠しているのではないか…と感じていたのだが、産箱を用意したのは出産間際(数日前)であった。まだまだ未熟なトロで、その上何もかも初めてであったために、出産前の不安そうな顔は今でも忘れられない。
ママなトロ

4匹の子猫を産み、とうとう、トロも母親になった。
しかし、出産直後は本当に母親なのかというほど子猫を乱暴に扱い、産箱の外へ放り出してしまったり、踏んづけたりと育児放棄的な行動もみられた。見ているこちらも不安だったのだが、数日たつとまるで別の猫のようにすっかり母親顔になっていた!!
それからはほぼ(ある程度大きくなるまで)ずっと子猫と過ごしていた。子猫が歩けるようになると、一緒に遊んだりしている風景も見られた。「やっぱり母親だなぁ〜」と感心してしまった。
その子猫たちは知人に引き取られる事になり、4匹ともトロの元を卒業していった。
落ち着き…トロ

子猫の頃はあんなにやんちゃで人に噛みついたりひっかいたりしていたトロが妊娠・出産を経験してから(?)すっかりおとなしくなってしまった。おとなしくなったというか、落ち着いたというか…。やはり、人間もネコも一緒。
子猫がいなくなってからは少し寂しそうな毎日を送っていたが、その暮らしにも慣れ、以前のトロに戻ったようだ。
モ・デ・ル

一時、写真を撮られるのが嫌だった時期があったようだが、最近はまたカメラの方を向くようになった。しかも、トロは光の加減によって大幅に毛の色が変わるということがわかった。
これからどんどんモデル(?)の活動に打ち込んでほしいと思う。
写真集!

2003年9月に、トロにとっては初となる写真集『SOURCE』が完成した。その後も2004年10月に2作目『My Progress』、2006年6月には『a deep breath』が完成している。
トロをあくまで「モデル」としてとらえて作られたこの作品達は、ほぼ製作者の自己満足でありながら、トロの成長記録とも見て取れる内容となっている。